皆さま、GEIT(Governance of Enterprise Information Technology)のエバンジェリスト事、ITコーディネータの元村憲一です。
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ブログの第125回目は、このブログの本題になっている GEITについての続きです。
前回の第121回目で、付録B 事業体の達成目標とIT達成目標の詳細なマッピングの説明に入りました。
今回は、その続きです。
まずは、前回お伝えした事の確認からです。
付録Bの対応表は、事業体の達成目標がIT達成目標によってどのようにサポートされ、IT達成目標に変換されるかを詳細に示しています。
この対応表は、以下の情報で構成されています。
・列の見出し:COBIT5で定義された17個全ての一般的な事業体の達成目標
・行の見出し:COBIT5で定義された17個全てのIT達成目標
・各事業体の達成目標がIT達成目標によってどのようにサポートされるかというマッピング
事業体の達成目標とIT達成目標のマッピングは、以下の2つの尺度を用いて表現されています。
・P:主要
・S:副次的
前回の確認ができたところで、17個のIT達成目標から見た、17個の事業体の達成目標の関係(マッピング)に入ります。
COBIT5フレームワークにある、付録Bの表を直接貼り付けて説明したいのですが、著作権の問題があるかもしれませんので、内容を文章で表現します。
・財務の視点
01 ITと事業戦略の整合性
P:主要
1.ステークホルダーから見たビジネス投資価値
2.競争力のある製品・サービスのポートフォリオ
6.顧客志向のサービスを提供する文化
8.事業環境変化への迅速な対応
9.情報に基づいた戦略的意思決定
11.ビジネスプロセスの機能の最適化
13.事業変革プログラムの管理
S:副次的
3.事業リスクの管理(資産の保全)
7.ビジネスサービスの継続性と可用性
10.サービス提供コストの最適化
12.ビジネスプロセスのコストの最適化
16.スキルと意欲を有する人材
17.製品やビジネスを革新する文化
02 ビジネスが外部の法令と規制に準拠するためのITの準拠性とサポート
P:主要
4.外部の法令および規制への準拠
15.内部のポリシーへの準拠
S:副次的
3.事業リスクの管理(資産の保全)
03 IT関連の意思決定に対する経営幹部のコミットメント
P:主要
1.ステークホルダーから見たビジネス投資価値
13.事業変革プログラムの管理
S:副次的
2.競争力のある製品・サービスのポートフォリオ
3.事業リスクの管理(資産の保全)
8.事業環境変化への迅速な対応
9.情報に基づいた戦略的意思決定
11.ビジネスプロセスの機能の最適化
16.スキルと意欲を有する人材
17.製品やビジネスを革新する文化
04 ITに関連する事業リスクの管理
P:主要
3.事業リスクの管理(資産の保全)
7.ビジネスサービスの継続性と可用性
10.サービス提供コストの最適化
S:副次的
4.外部の法令および規制への準拠
8.事業環境変化への迅速な対応
13.事業変革プログラムの管理
15.内部のポリシーへの準拠
16.スキルと意欲を有する人材
05 ITを活用した投資とサービスポートフォリオにより実現された利益
P:主要
1.ステークホルダーから見たビジネス投資価値
2.競争力のある製品・サービスのポートフォリオ
12.ビジネスプロセスのコストの最適化
S:副次的
6.顧客志向のサービスを提供する文化
8.事業環境変化への迅速な対応
10.サービス提供コストの最適化
11.ビジネスプロセスの機能の最適化
14.業務およびスタッフの生産性
17.製品やビジネスを革新する文化
06 ITコスト、効果およびリスクの透明性
P:主要
5.財務上の透明性
10.サービス提供コストの最適化
12.ビジネスプロセスのコストの最適化
S:副次的
1.ステークホルダーから見たビジネス投資価値
3.事業リスクの管理(資産の保全)
9.情報に基づいた戦略的意思決定
・顧客の視点
07 ビジネス要件に合致したITサービスの提供
P:主要
1.ステークホルダーから見たビジネス投資価値
2.競争力のある製品・サービスのポートフォリオ
6.顧客志向のサービスを提供する文化
8.事業環境変化への迅速な対応
11.ビジネスプロセスの機能の最適化
S:副次的
3.事業リスクの管理(資産の保全)
4.外部の法令および規制への準拠
7.ビジネスサービスの継続性と可用性
9.情報に基づいた戦略的意思決定
12.ビジネスプロセスのコストの最適化
13.事業変革プログラムの管理
16.スキルと意欲を有する人材
17.製品やビジネスを革新する文化
08 アプリケーション、情報および技術ソリューションの適切な使用
P:主要
11.ビジネスプロセスの機能の最適化
14.業務およびスタッフの生産性
S:副次的
1.ステークホルダーから見たビジネス投資価値
2.競争力のある製品・サービスのポートフォリオ
3.事業リスクの管理(資産の保全)
6.顧客志向のサービスを提供する文化
7.ビジネスサービスの継続性と可用性
9.情報に基づいた戦略的意思決定
10.サービス提供コストの最適化
12.ビジネスプロセスのコストの最適化
16.スキルと意欲を有する人材
17.製品やビジネスを革新する文化
・内部プロセスの視点
09 ITの俊敏性
P:主要
2.競争力のある製品・サービスのポートフォリオ
8.事業環境変化への迅速な対応
11.ビジネスプロセスの機能の最適化
17.製品やビジネスを革新する文化
S:副次的
1.ステークホルダーから見たビジネス投資価値
3.事業リスクの管理(資産の保全)
6.顧客志向のサービスを提供する文化
13.事業変革プログラムの管理
14.業務およびスタッフの生産性
16.スキルと意欲を有する人材
10 情報情報処理インフラストラクチャ、アプリケーションのセキュリティ
P:主要
3.事業リスクの管理(資産の保全)
4.外部の法令および規制への準拠
7.ビジネスサービスの継続性と可用性
15.内部のポリシーへの準拠
11 IT資産、資源および能力の最適化
P:主要
1.ステークホルダーから見たビジネス投資価値
10.サービス提供コストの最適化
12.ビジネスプロセスのコストの最適化
S:副次的
2.競争力のある製品・サービスのポートフォリオ
8.事業環境変化への迅速な対応
11.ビジネスプロセスの機能の最適化
13.事業変革プログラムの管理
14.業務およびスタッフの生産性
17.製品やビジネスを革新する文化
12 アプリケーションと技術をビジネスプロセスへ組み込むことによる、ビジネスプロセスの可能性とサポート力
P:主要
2.競争力のある製品・サービスのポートフォリオ
11.ビジネスプロセスの機能の最適化
S:副次的
1.ステークホルダーから見たビジネス投資価値
3.事業リスクの管理(資産の保全)
6.顧客志向のサービスを提供する文化
8.事業環境変化への迅速な対応
10.サービス提供コストの最適化
12.ビジネスプロセスのコストの最適化
13.事業変革プログラムの管理
14.業務およびスタッフの生産性
17.製品やビジネスを革新する文化
13 納期、予算、要件および品質基準を守り、効果を出すプログラムの提供
P:主要
1.ステークホルダーから見たビジネス投資価値
13.事業変革プログラムの管理
S:副次的
2.競争力のある製品・サービスのポートフォリオ
3.事業リスクの管理(資産の保全)
6.顧客志向のサービスを提供する文化
10.サービス提供コストの最適化
12.ビジネスプロセスのコストの最適化
14 意思決定のための信頼できる有用な情報の可用性
P:主要
7.ビジネスサービスの継続性と可用性
9.情報に基づいた戦略的意思決定
S:副次的
1.ステークホルダーから見たビジネス投資価値
2.競争力のある製品・サービスのポートフォリオ
3.事業リスクの管理(資産の保全)
4.外部の法令および規制への準拠
11.ビジネスプロセスの機能の最適化
15 内部ポリシーへのITの準拠
P:主要
15.内部のポリシーへの準拠
S:副次的
3.事業リスクの管理(資産の保全)
4.外部の法令および規制への準拠
・学習と成長の視点
16 有能で意欲のあるビジネスおよびITの担当者
P:主要
3.事業リスクの管理(資産の保全)
14.業務およびスタッフの生産性
16.スキルと意欲を有する人材
S:副次的
1.ステークホルダーから見たビジネス投資価値
2.競争力のある製品・サービスのポートフォリオ
6.顧客志向のサービスを提供する文化
8.事業環境変化への迅速な対応
17.製品やビジネスを革新する文化
17 ビジネス革新のための知識、専門性および取り組み事例
P:主要
2.競争力のある製品・サービスのポートフォリオ
8.事業環境変化への迅速な対応
17.製品やビジネスを革新する文化
S:副次的
1.ステークホルダーから見たビジネス投資価値
6.顧客志向のサービスを提供する文化
9.情報に基づいた戦略的意思決定
11.ビジネスプロセスの機能の最適化
13.事業変革プログラムの管理
16.スキルと意欲を有する人材
やはり、表でないと全体像が把握しにくいですね。
この関係を丁寧に見ていく事で、変換された17個のIT達成目標によって、17個の事業体の達成目標が、支援されている n:m の関係を理解できると思います。
これで、付録Bの説明は終了します。
最後まで、お付き合いくださいまして、ありがとうございます。
次回以降も、本題のGEITの凄いフレームワークCOBITを中心に、ISACAが発行している資格などについても順次お伝えして行きます。
ただし、ISACAの資料は、著作権の管理が非常に厳しいため、全引用とかはほぼ不可能となっています。
表現を変えたり、かみ砕いた言葉などで説明して行く予定です。
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